121年前のスタインウェイ 修理7

たくさん作業があり過ぎて、ブログに更新するのが実際の作業手順と前後しているものが沢山あるのはご了承下さいm(_ _)m

一つ一つの作業をピックアップして更新していきますね!

今回は、ハンマーの取り付けです。
ハンマーは穴あけの位置や角度と奥が深く、ハンマーの制止位置やハンマーが弦に当たった時の角度など考えなければいけないことは沢山あります。

そんな設計に関する事は割愛させて頂き、内容は取り付けへ。
これまた穴開けや取り付けも当然全て88キーと沢山同じことを繰り返します。
しかし、ピアノのハンマーは高音側から低音に向かうにつれて大きくなっていきます。
これまた設計の話になってしまいますが、低音と中・高音とでは、弦が交差している為弦の高さが異なります。
そうなると当然ハンマーの長さも変えなければいけないので、取り付けの順番など基本的な事を間違えないようにしなけばいけません。

一つ一つ丁寧に取り付けていきますよー!
d(⌒ー⌒) グッ!!

しゅんすけ@工房

121年前のスタインウェイ 修理6

巷ではラグビーワールドカップで活躍した日本代表の五郎丸歩(29)さんがとても注目されていますね。
僕も弟がラグビーをやっている事もあり、応援していました。
そんな五郎丸さんがトップリーグで所属しているチームがヤマハ発動機で、今年の鈴鹿8耐で優勝したのもヤマハとヤマハ勢が活躍していて、ピアノに携わっている僕は何だか嬉しくなっている今日この頃です。
ピアノには直接的関係ありませんが、僕はヤマハというとピアノをまず思い浮かべるので、こうやってヤマハが注目されることは嬉しいことです。
ラグビーのヤマハ発動機チームのファンクラブ会員が急増しているようですしd(⌒ー⌒) グッ!!

ピアノ業界も勢いつけたいですね!
よし(๑و•̀ω•́)و 

仕切り直して話はスタインウェイ修理に(^◇^;)

キャプスタンボタンというパーツを、ワイヤーごと鍵盤から抜いた後は、その抜いた穴を埋め木して新しいアクションに合った場所に新品のキャプスタンボタンを取り付けます。

この新品の取り付け位置を決めるのは慎重に行います。

タッチ感やレスポンスに直結しますからね。(^◇^;)

写真は位置出しを行い、下穴を開けてワイヤーを差し込んだ後キャプスタンボタンを取り付けるといった所です。

ピアノの内部修理で何が大変かって、ピアノは全部で88キーあるので、同じ作業(同じパーツ)が88個ある訳です(;^_^A

それを同じ寸法で基本は作業していきます
(正確には鍵盤のサイズが変わったり、ハンマーのサイズが変わるなど同じようで同じでは無いパーツも多数存在します)

黙々と1つ1つ作業していくのは、内職なのでは?と感じてしまう事も…f^_^;)

ただ、1工程1工程ただやれば良い訳じゃ無いので、奥が深いんですけど伝わりにくいのが残念です
(´ヘ`;)とほほ・・

しゅんすけ@工房

121年前のスタインウェイ 修理5

白鍵の上面も貼り替えが終わり、ブッシングクロスも貼り替えたので鍵盤関係は終わり…

では無いのが今回のピアノです。

121年前となると、アクション関係の設計が現代とは大幅に異なっていたので、現行のアクションに乗せ変えます。

ここが文章にしてしまえば簡単なのですが、とてもとても複雑で大変な作業となりました。

当然設計が大きく関わってくるので、単純に乗せ変えることは出来ません。
まず各パーツの位置や角度寸法を細かくデータ取りから始まるのですが、ここでは割愛させて頂きます。

そのアクションが現行の物に変わる事によって、鍵盤に取り付けられているキャプスタンというパーツの取り付け位置が変わってきます。
写真はそのパーツを抜き、抜いた所を埋め木しているところです。

この様な支点となる所の位置変えは慎重に行わなければいけません。

タッチ感や鍵盤重量のバランスまでも変わってくるからです。

まだまだ先は長いですが、お付き合いください
(๑و•̀ω•́)و 頑張る

しゅんすけ@工房

121年前のスタインウェイ 修理4

鍵盤上面を貼る為の下準備が終わり、やっと貼り付けが可能なところまで来ました。


白鍵は特殊な治具を使い貼り付けるのですが、この治具がまた色々です。
既製品の物もありますが、やはりメーカーや年代により変わる厚さやサイズ・象牙やアクリルと鍵盤と言っても様々です。
細かいところに対応できる様・思い通りに作業できる様にする為には、やはり自家製の治具が力を発揮します。

不満点を改良して、長年の使い込みにより進化を遂げるのは楽器だけではありません。
当工房にある手造りの治具や工具は、一見何に使うか分からない物から、同業者さんが見るとすぐ分かる物でも工夫が凝らしてある治具、長年の修理経験によって作り出された物が沢山あります。

そんな治具を使い、121年前の鍵盤にも見事に対応し貼り付けていきます。
(大袈裟な表現ですけどね(^◇^;))

このピアノには既製品(形が成形されてる)鍵盤は使用出来ないので、我々で貼り付けた後加工していく必要があります。
写真は、1本づつ形を整形いるところです。(左側に並んでいるのは貼り付けたままで未整形の物)
1本1本同じ形状に整えていきます。
整形している様子の写真を撮り忘れちゃいました
σ(^。^;)

まだまだ続きますよ(*>∇<)ノ ァィ♪

しゅんすけ@工房


121年前のスタインウェイ 修理3

鍵盤の上面を整えたら、さあ上面の貼り付けです…

と行かないのが、このピアノです。(;^_^A

長年使用されていて鍵盤も傷んでいるので、鍵盤幅がバラバラです。
たくさん弾かれていて側面の磨耗が進んでいたり傷んでいたり。ですので、鍵盤と同じ材質のスプルースの薄板を使用して鍵盤側面に貼り付けて幅も整えます。

普段なら無い作業がドンドン出て来て牛歩の如くスローペースですが、確実に前に進んでます(^◇^;)

しゅんすけ@工房

121年前のスタインウェイ 修理2

次は鍵盤の貼り替えです。

121年も時が経つと鍵盤も
【味が出た】
というレベルを超え、弾くにはあまりにも支障が出るのと、見た目にも限度を超えていたので全て貼り替える事になりました。

ただ単純に剥がして、貼れば良いわけではありません。

先ずは剥がしたら、古い接着剤が残っていたりするので上面がガタガタです。
このまま貼っても傾いていたり、隙間が出来たり接着不良になったりと良い仕事ができないので、上面を均します。
もちろん闇雲に均すと、削り過ぎたり平が取れていなかったりするので、地味ですがここも技術のいるところです。
この後、まだ上面が貼れないんですねぇー(;^_^A

それはまた次回のお楽しみに(*>∇<)ノ ♪

しゅんすけ@工房

121年前のスタインウェイ 修理 1

昨日から書き始めたスタインウェイの修理ですが、ナント121年前のピアノです。
(; ̄O ̄)

ギネスにて認定されてる世界最高齢の方ですら産まれていません。

そんな貴重なピアノの修復には慎重さが求められます。
現在数多く修理しているピアノとは違い、パーツももろく交換が必要であったり、長年の使用で擦りてっていたり設計が違っていたりと様々です。

しかし、この時代から変わらぬ仕組みの物も多く、同じように修理できる物も当然たくさんあります。

今回はブッシングクロスといって、鍵盤裏に使用されているクロスを全交換したのですが、仕組みや構造は同じでも、ちょっと違う。そのちょっと違うが、いつものように作業することの出来ない理由になってしまった一例です。

上の写真が現在の鍵盤の裏です。
赤いクロスが貼ってあり、剥がした鍵盤もありますね。
横に溝が掘ってあるのですが、この古いスタインウェイは横に溝が掘っていなくて、四角く掘り出された形状になっています。
これだと、普段使用している治具が使えないので、治具作製から始める場合があるのです。
ただ、当社では過去にもこのような修理をした事があるため、特殊に治具を作っていたので、対処できましたが、このように各工程でいろいろな事が起こってきます。
なかなか先の長い修理となりそうです(;^_^A

しゅんすけ@工房

とても古いスタインウェイ

とてもとても古いスタインウェイピアノの修理を行っています。

100年を優に超えるピアノとなれば、不具合も色々あります。

今回は弦の振動を響板に伝える駒というパーツが、長年の年月による経年劣化にて、張力に耐え切れず割れてしまっていたので、修復を行いました。

本来なら修理を諦めてしまいそうなピアノの心臓部分とも言える響板関係のパーツでも、このように現代の真新しいパーツになったのではないか?と思えるように修復可能です。

このピアノは、色々難儀しそうですが完成も間近なところまで来ています。

少しづつ載せていきますのでお楽しみに!

しゅんすけ@工房

ロゴの錆

とても残念です…

何が残念かというと、ピアノは傷が多かったり汚れていても写真に撮ると綺麗に写ってしまう傾向にあります。
今回もロゴが酷い錆だったのですが、そんなに酷く見えなくて(;^_^A

と、今回は錆が酷いロゴの錆を取り除き磨き直しました。

この錆ですが、錆が元に戻っている訳ではありません(当たり前)

この錆びた部分を取り除き錆びていない部分を磨いて蘇らせているのですが、当然厚さがないと出来ません。

ペダルや蝶番はある程度厚さがあるので全く問題ないのですが、ロゴになると薄い場合があります。
一流メーカーはしっかり厚さがあるのですが、中には薄くてペラペラなメーカーも稀にあります。
そうなると錆が酷くなると、欠けてしまったり錆を取って磨き直すことが不可能な場合が出てきます。

こうなる前に対処したいですがなかなか難しいですよね(;^_^A

こういったところまで良いパーツを使っているのが一流メーカーだなぁと日々の修理で実感しています
d(⌒ー⌒) グッ!!

しゅんすけ@工房

黒いピアノ(U3A)を白いピアノに塗り替え

黒い艶出しピアノを白い艶出しピアノに塗り替えて欲しいという修理の依頼を頂きました。

 

白いピアノに塗り替えると、雰囲気が大きく変わって部屋が明るく見えると思います。

最近の家の傾向として、洋風な部屋が増えていると思います。黒のピアノを持っているけど、いまいち家の雰囲気と合わないな~・・・。っと思っている方や今あるピアノにとても思い入れがあるので、ピアノの買い替えは難しいけど、白いピアノがどうしても欲しいっと思っている方、ぜひ白いピアノへの塗替えをオススメします。外装はがらっと変わっても、音色はそのままなので思い出のピアノのまま、外装は新品同様に綺麗になって、嬉しいかと思います。

お家にある思い出のピアノが、生まれ変わりますよ。

作業開始


全塗装するので、部品を全部分解しました!

これから塗装の作業に入ります。


塗装開始!!

だんだん真っ白になっていきますよー!

驚きの白さ・・・!!

 YAMAHAのLOGOまで真っ白!?

安心して下さい。ピカピカですよ。

 

完成しました!!

お客様の声

修理を依頼してくださったお客様が、納品後に写真とアンケートに答えて下さいました。

作業スタッフよりコメント

色合いが思っていた通りみたいで、とてもよかったです!!毎日工場で作業してますので、実際にお客様の家に納品したピアノがどのように収められているかを普段見ることが出来ないので、写真を撮っていただいて、見ることができ、とても嬉しいです。お部屋の雰囲気とマッチしていて、とてもイイデスネー(*^^)v

どうもありがとうございました。


中古ピアノ 修理 レザー貼り替え

グランドピアノの鍵盤奥に写真のようなパーツがあります。
そこにレザーが使われているのですが、経年変化や使い込まれていて摩耗してしまい交換が必要なピアノがあります。

これを変えたらどうなるの?
と言われるとブログで説明するには長〜くなってしまいますし、小難しい内容になりそうなのでやめておきます(^◇^;)

当然、新品に変えるわけですから良い状態に戻ります…が、変化が生じるので再調整が必要になります。

このような作業をする時は、オーバーホールや整調を本格的に行う時に一緒にやると無駄が省けます。
まとめてやれる時はまとめて行った方が、作業する側もお客様も良いことだらけですよ。

しゅんすけ@工房

中古ピアノのチューニングピンが!!

写真を見て下さい!

これは、グランドピアノのピアノ弦を新品に交換する為チューニングピン(ピアノの弦が巻いてありこのピンで調律を行う)も交換する為、抜いてみたところこのように錆びているピンがありました。

上の方は目視で確認出来ますが、溝の入っている所はピン板の中に打ち込んである為抜いてみないと分かりません…

と言いながらも、これ程錆びていると調律時に異常を感じるレベルですが(;^_^A

このようになってしまうと、ピンが張力に耐えうる保持力を失っていたり、調律しにくい状態になっていたりトラブルの元となるのは明白ですね。

これは、経年変化だけでなくピアノ管理も良く無かったとおもわれます。湿度管理は木部やクロス系だけでなく金属パーツを錆びさせる原因にもなるのでしっかり湿度管理していきましょう!

しゅんすけ@工房

鍵盤の正面を綺麗にしてみませんか?

中古ピアノを買い取り、再び販売する為私達は日々奮闘しています。


そんな中よくある作業の一つが写真にある作業です。
これは、木口というパーツが経年変化を起こし黄色く黄ばんでしまった物を、新品に交換するという作業です。

という事は、購入する方は綺麗な状態で購入出来ますが…

長年使用しているお客様の自宅にある木口はどうですか?

ピアノは外装に傷が付いたり、このように鍵盤関係が黄ばんだり欠けたり。または弦やチューニングピンが錆びる。
そしてメインの音が狂ったり弾きにくくなったり。
と様々な事が起こります。

このような部分をキッチリメンテナンスしていくと、更にピアノが愛おしく感じ、尚且つ弾きやすく美しいピアノが維持出来るんですね。

最近スマートフォンでFacebookが簡単に更新出来るので、Facebookばかりになりこのブログを放置気味で反省しています。(;^_^A

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しゅんすけ@工房

いつの間に新巻!?

本屋さんに立ち寄り、趣味の本・料理の本と見ていて、何となくコミックエリアに行ったら…

忘れてました。

【ピアノのムシ】の存在を。

いつの間にか4巻が出ていたので早速購入。

ピアノ調律師が主人公で、ピアノの管理や調律・修理といった内容のコミックで、今までになかっただけに調律師の間でも気になってる方もチラホラ増えてきてるのではないでしょうか?


気が付けば2015年。

あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いします。

気が付けば去年の11月からブログの更新が途絶えていました。
どうもFacebookの方がスマホで更新できるので、手軽な方に力を入れてしまってましたσ(^。^;)

当然何もしていなかったわけではなく、工房はフル稼働です。年が明けてからもいきなりフル回転。
仕事がある事は喜ばしい事です。

今年1年も、沢山のピアノに携われる1年になるよう精進致します。

写真は現在進行形のグランドピアノのハンマー交換の様子です。

しゅんすけ@工房